団体概要

KTCは旧制神戸高等工業、神戸工業専門学校を前身とする神戸大学工学部の同窓会で、創立以来90余年の伝統と歴史を誇り、各界で活躍する卒業生を数多く輩出しています。

現在は同窓会としての活動を基盤に、神戸大学工学部、大学院工学研究化および大学院システム情報学研究科における教育研究の援助、大学の支援をはじめ、工学振興に鋭意取り組んでいるところです。

KTCのネットワークを活用することで、皆さまのこれからの人生が、実り多い、より豊かなものになることを確信致します。

廣田精一初代校長と教育理念

工学部玄関横の銅像は、初代校長・同窓会会長として神戸高等工業学校の礎を築くとともに、その発展に尽力された廣田精一校長の銅像で、東京電機大学、オーム社の創始者としても知られています。

その教育理念である“規律・持続・執守”は現在も銅像前の碑文として残されています。碑文の上部のSPARSAM(“倹約の”の意)はドイツ留学時に体得された思想であり、現今の省資源の考え方にも通じるものです。

理事長のご挨拶

理事長 谷口典彦 システム工学科 S② 1977年卒業

本年5月21日に神戸大学工学振興会(以下KTC)の令和3年度定時総会において役員改選が行われ、塚田前理事長の後任として理事長に就任いたしましたCSクラブ所属でシステム工学科2回生(S②)の谷口典彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

今回の総会は、コロナ禍による緊急事態宣言の下、工学会館およびオンライン参加を併用し参加人数も制限させていただく中での開催となりました。例年の楠公会館での会員の皆様との懇親もならず、残念な事となりましたが、運営の皆様のご努力により定時総会が滞りなく行われたことに感謝と敬意を表します。

私は1977年(昭和52年)にシステム工学科を卒業し、コンピュータメーカーに就職しました。その会社に42年勤め退職したタイミングで、S②の同級生から母校の産学連携におけるオープンイノベーション活動の手伝いをしないかという声が掛かり、2019年10月から大学の産官学連携本部にお世話になっております。そうなると縁は繋がりはじめるもので、そろそろCSクラブからも理事長をというタイミングと丁度重なり、役員、先輩諸氏のご推薦を頂戴し今回の就任に至りました。

大学では新たな執行体制で新しい神戸大学の姿を描く取り組みを始めており、工学研究科、工学部におかれても全学の動きと歩調を合わせた取り組みが進んでいる事と認識しています。

まず、大学としては1902年の神戸高等商業を起点として来年に創立120周年を迎え、「異文化共創研究教育グローバル拠点」を目指すとの目標を掲げ活動しています。KTCとして大学のそれらの取り組みに、学友会とも連携して積極的なサポートをしてゆきます。

工学部においても本年12月に神戸高等工業学校の設立から100周年を迎え、新たなビジョンを策定し未来に向かって社会への貢献の意思を表明しています。工学部の思いについては、KTC機関誌2021年5月号の巻頭言で大村工学研究科長・工学部長(現理事)からご紹介いただきました。これを機に、工学部執行部の方々とKTCが密にコミュニケーションを取り、100周年を記念して将来に形として残せる共同事業が出来ないかと模索中です。前執行部にて100周年検討委員会を立ち上げていただいていますので、それを引き継ぎ具体案に繋げてゆきます。

民間企業を卒業してから大学に関わらせていただき、私が新たに感じたことは、大学はその公的・中立的な立場から複数の企業が共同研究や連携を行う際の中心的な役割を担えるということです。社会・環境やそれをささえる技術が多様化、複合化してゆくなかで、複数の企業が共同研究や連携を行う際の中心的な役割を担える可能性が大学にはあります。その認識の下で、KTCとして大学の公的・中立的立場を活かした社会貢献を支援する事にも注力してゆきたいと考えます。平成30年に神戸大学発のベンチャーキャピタルである「(株)科学技術アントレプレナーシップ」に出資したのも先行事例にあたると思います。

KTCは会員各位のご参画により、多岐に渡る事業を展開しています。新執行部はそれらの事業を現役学生諸君、工学部、大学により役立つようにしてゆく努力を継続いたしますので、会員各位のご支援の程よろしくお願いいたします。